興信所と探偵事務所の違いとは

浮気調査や離婚の相談、素行調査について調べてみると「興信所」と「探偵事務所」の2種類あることがわかると思います。どちらも調査を行っているため、その違いがわかりにくいと感じている人もいるのではないでしょうか。興信所と探偵事務所はいずれも似ている部分が多く、業務内容にはほとんど違いがありません。興信所と探偵事務所にはどんな違いがあるのか、またどちらに依頼したらいいのかを詳しく紹介します。

 

興信所とは

興信所とは”依頼に基づき個人もしくは法人の調査を行う民間機関”のことをいいます。

調査内容は、浮気調査や離婚の相談、素行調査、信用調査、人探しなど広く対応している点は、探偵事務所と変わりません。
もともと、興信所は日本銀行の支店長である戸山修造氏の「商業興信所」がきっかけとなっています。当時は「企業」を対象に調査を行っていたと言われています。
例えば、信用調査・市場調査・雇用調査などの企業にまつわる内容を調査していました。そもそも、興信所が生まれたきっかけとなったのはビジネスの世界で、商業手形を使った信用取引が主流になったことが関係しています。

商業手形取引は、資金の決済のために2ヵ月以上間が空いてしまうことも多く、その間につぶれてしまえば利益がなくなってしまいます。本当に信用できる企業なのか、見極めて取引するために信用調査を行うようになりました。

 

興信所の調査方法

興信所は調査対象に対して事前に身分を明かします。面接や電話など聞き取り方法を問わず、身分を明かしたうえで調べるのが基本です。内観型調査手法といわれる方法になり、調査した内容をもとに、後付け調査を行い依頼者に報告します。

 

探偵事務所とは

探偵事務所とは、元刑事の岩井三郎氏が設立した民間機関です。興信所との大きな違いは「個人」を対象に調査を行っている点といえるでしょう。探偵事務所の調査内容は、浮気調査を始め、結婚調査、素行調査、行方不明者の捜索など個人に対して調査を行うものがメインです。

・探偵事務所の調査方法

依頼を受けたあと、内容に応じて尾行や聞き込み、張り込みを行い対象者の証拠を集めて、報告するまでが探偵事務所の仕事です。調査対象に知られないように密かに行動を調査して、結果を依頼者に報告します。具体的には、浮気の証拠を集めるなどの個人的な調査が典型的な任務といえるでしょう。

 

興信所と探偵事務所に明確な線引きはない

現在の興信所と探偵事務所に明確な線引きはなく、企業・個人問わずに依頼を受け調査を行っています。法律上で見てもいずれも「探偵業」に分類されるため、公安委員会にて届出を行います。探偵業法という法律に基づき調査を進めていくことになります。
興信所と探偵事務所の背景をたどっていくと、時代の変化に伴う市場の需要変化が大きいことがわかるのではないでしょうか。市場のニーズに応じて企業・個人問わずに調査を行います。また、ネットの進化に伴い、インターネットによる調査が進んでいることも関係しています。今までの調査方法だけに限らず、正確な情報を手に入れるために最新の技術を利用する必要が出てきました。SNSも含め共通のツールや手法を使うことも増えているため、類似点が増えてきたことも影響を与えていると言われています。

 

興信所と探偵事務所の調査費用

興信所と探偵事務所の業務内容について、ほとんど違いがありません。そのため、興信所や探偵事務所だから高いわけではありません。調査費用は、興信所や探偵事務所が自由に決められます。そのため、どこに依頼するのかを決めるときに実際にかかる調査費用も含め、検討するのをおすすめします。

興信所と探偵事務所の料金形態は以下のような設定です。

・時間制

・パック割

・成果報酬制

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

・時間制

時間割は、1時間あたりいくらなどの時給で料金を設定する方法です。何人が調査を行っているのかによっても変わりますが、1時間2万円前後が相場です。調査時間が明確なので把握しやすくなりますし、短時間で調査が終われば費用を抑えられる良さもあります。

・パック割

パック料金になると、時間制ではなく20時間で40万、40時間で80万などのある程度区切った料金費用となります。依頼するときに定めた料金内で調査に対応してくれるので、予算以上に費用が掛かってしまう心配もありません。注意点として、調査が途中終了した場合も返金されるかどうかは、興信所や探偵事務所によっても変わります。

・成果報酬制

また、成果報酬制は調査が成功したときに発生する料金です。

成功の基準は興信所や探偵事務所によっても異なるため、事前に基準を明確に決めておくのをおすすめします。曖昧な基準にしてしまうと、後々トラブルの原因になります。成功報酬を選ぶ場合は、しっかりと話し合いの場を設けてくれるかどうかも重要です。

興信所と探偵事務所による料金の違いではなく、あくまでも調査を依頼する内容や、難易度、成果の有無によっても変わってきます。

 

興信所と探偵事務所どちらに依頼するべき?

現在では、興信所と探偵事務所に明確な違いがあるわけではありません。選ぶ時に押さえておきたいポイントは2つあります。

・得意分野や調査報告書の質で選ぶ

・料金形態や選択肢の多さで選ぶ

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

・得意分野や調査報告書の質で選ぶ

興信所と探偵事務所のどちらがいいという判断ではなく、事務所によって得意な分野や不得意な分野があります。調査できる対象が幅広いからこそ、自分のニーズにあった興信所や探偵事務所を選べるようにしていきましょう。
例えば、浮気調査を依頼したいと思っているのであれば、過去の実績も含め確認することが大切です。また、調査終了後に事務所にて作成する調査報告書は重要な証拠です。裁判を有利に進めるためにも欠かせないものになるからこそ、質が高い調査書を作成してくれるかどうかも選ぶ時のポイントといえるでしょう。

・料金形態や選択肢の多さで選ぶ

興信所・探偵事務所によって料金形態の違いもあります。3つの料金形態があると説明しましたが、事務所によっても支払いの選択肢が変わってきます。料金の相場も興信所・探偵事務所が決められるからこそ、見比べたうえで選ぶようにしましょう。また、費用を抑えたいのでれば、自分でも調査できるかどうかも含め判断するようにしてください。
実際に、興信所や探偵事務所の雰囲気の違いもありますし、直接顔を見て相談したいのであればアクセスの良さも関係してくると思います。相談したときに親身に対応してくれるかどうか、信頼できそうな相手かどうかも確認しておくことが必要です。

 

まとめ

興信所・探偵事務所の違いについて詳しく説明しましたが、現在は明確な違いがないといえるでしょう。もともとは探偵事務所は「個人」を対象としており、興信所は「企業」を対象にするなどの違いがありました。ただ、市場の変化に伴いほぼ同じ業務を行うようになっています。調査内容や料金形態などの違いも、興信所・探偵事務所によって変わるものではなく、それぞれの事務所が決めているものです。興信所・探偵事務所を選ぶ時は得意分野や料金形態も含め納得して選ぶようにしてください。事前に無料相談やお見積もりをもらい自分のニーズに適した使い方ができるかどうかで判断することも大切です。

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